以下では各年度のゼミの内容について書いてあります. ゼミを選ぶ際の参考にして下さい.

ゼミの内容についてはいくつか提案した中から選んでもらう予定ですが, 特に希望がある場合にはなるべく希望を尊重して内容を決めたいと思っています. (などと書いてありますが, 教員のその時の興味に伴い独断で内容が決定されている感は否めません. ただ, 内容の深さや面白さについては最終的に1月, 2月には分かってもらえるかなと思っています).

基本的にゼミでは輪読を行います. 輪読とは, 数人が順番に一つの本を読んで解釈し, お互いに意見をかわすことと辞書には書いてあります. 簡単に言うと, 発表者が自分の担当部分について勉強してきたことをホワイトボードを使って説明します. その説明を聞いた他のゼミ生や教員が分からないことがある度に質問し, 発表者が質問に答えます. そのようにしてお互いに理解を深めていきます. 自分の発表担当以外の部分も勉強し, 他の人の発表で分からないことを積極的に質問することが大切です. (実際には, 自分の担当部分しか勉強してこないという学生が多いように思います. 最後に卒業研究をまとめる段階で 苦労する学生が多いので, 他の人の担当部分もきちんと勉強して欲しいと思います.)

2024年度

 2024年度は, をゼミ生7人全員で勉強していくことになりました.

2023年度

 2023年度は,

をゼミ生7人全員で勉強していくことになりました. 同時に大学院講義でルベーグ積分についても勉強してもらう予定で, 固有値問題の章で知識として活かせればと考えています.

2022年度

 2022年度は,

をゼミ生6人全員で勉強していくことになりました. 2020年度のゼミの内容と近いものになりそうですが, 議論をヒルベルト空間に限定して, なるべく深いところまでいきたいと思っています. 同時に大学院講義でルベーグ積分についても勉強してもらう予定です. 勉強したことを基に,以下の内容で卒研発表を行いました.具体的な作用素についてあまり扱うことができなかったことが少し残念でした. 1人の学生が進学するので,教科書の続きを勉強していき,非有界自己共役作用素のスペクトル分解定理を目標とすることにしています.

  1. ヒルベルト空間の基本性質
  2. 弱収束と弱点列コンパクト性
  3. 作用素の収束とBanach-Steinhausの定理
  4. エルミート作用素の性質と作用素の分数冪
  5. 射影作用素についてのリーマン・スティルチェス積分
  6. エルミート作用素のスペクトル分解

2021年度

 2021年度は,

という方針で2名のゼミ生で進めていくことになりました
(途中で3名ゼミ生が増えて, 現在は5名でゼミを行っています).
結局, 追加で

  1. 洲之内治男著, 「改訂 関数解析入門」(サイエンス社)
    https://www.amazon.co.jp/dp/4781907423/
  2. 洲之内治男著, 「ルベーグ積分入門」(内田老鶴圃)
    https://www.amazon.co.jp/dp/4753600866/

を部分的に読みました. 勉強したことを基に, 以下のような内容で卒研発表を行いました.

  1. ルベーグ積分の定義
  2. 収束定理
  3. ファトゥの補題
  4. 関数空間の完備性
  5. 可測集合

2020年度

 2020年度は,  の2冊をゼミ生8人全員で輪読し, 自己共役作用素のスペクトル分解定理を目標に, 関数解析を勉強することになりました.
 勉強したことを基に, 卒研発表は以下のような内容で行いました.
  1. 線型作用素のレゾルベントとスペクトル
  2. 線型作用素のスペクトルの分類
  3. コンパクト作用素
  4. 双対作用素とSchauderの定理
  5. 開写像定理
  6. Rieszの基本定理
  7. Riesz-Schauderの交代定理
  8. コンパクト自己共役作用素のスペクトル分解定理

2019年度

 2019年度は,  をゼミ生6人全員で輪読し, 球面調和関数について勉強しました.
 勉強したことを基に, 卒研発表は以下のような内容で行いました.
  1. 一般極座標表示
  2. 斉次多項式とFischer内積
  3. Laplacianの特徴付け
  4. 調和多項式
  5. Hecke等式
  6. 球面調和関数

2018年度

 2018年度は,  をゼミ生9人全員で輪読し, 変分法について勉強しました.
 勉強したことを基に, 卒研発表は以下のような内容で行いました.
  1. 変分法の基本補題
  2. 汎関数に対するTaylorの定理
  3. Euler-Lagrange方程式
  4. 汎関数の弱極小値のための十分条件
  5. Ascoli-Arzelàの定理
  6. Sturm-Liouvilleの固有値問題:最小固有値の存在
  7. CourantのMin-Max原理
  8. Sturm-Liouvilleの固有値問題:固有値の比較定理
  9. Sturm-Liouvilleの固有値問題:固有関数の完全性

2017年度

 2017年度は,  をゼミ生8人全員で輪読し, フーリエ級数に関して勉強しました.
 勉強したことを基に, 卒研発表は以下のような内容で行いました.
  1. 波動方程式とフーリエ級数の起源
  2. 良い核について
  3. 級数の収束と2つの総和法
  4. フーリエ級数の平均2乗収束
  5. 連続関数による可積分関数の近似
  6. 円周上の熱方程式における熱核の性質
  7. ワイルの一様分布定理
  8. 等周不等式とヴィルティンガーの不等式

2016年度

 2016年度は,  の1, 2章をゼミ8人全員で輪読し, その内容を基にして以下のような題目で卒研発表を行いました.
  1. 定係数高階方程式の解の表示
  2. ラプラス変換による線形方程式の解法
  3. 実数の完備性について
  4. 行列の指数関数について
  5. 1階連立微分方程式系の解の表示
  6. レゾルベントによる射影作用素の構成
  7. 行列の固有値に基づく解の漸近的挙動
  8. ジョルダン標準形の理論について